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2019年10月 2年生 働く意味(11/1)

投稿日2019/11/01

2学期の授業では、昨年度に続いて「働く意味」について考えています。

 

はじめに、映画「ちょっと今から仕事やめてくる」を視聴しました。

その内容を少し紹介すると、

ブラック企業で働く青山隆は、仕事のノルマが厳しく精神的に追い詰められていました。疲労のあまり駅のホームで意識を失い、電車にはねられそうになってしまいます。危ういところで青山を救ったのは、幼馴染のヤマモトと名乗る男でした。だが、青山には彼の記憶が全くありません。大阪弁でいつでも爽やかな笑顔を見せる謎の男、ヤマモトと出会ってからというもの、青山は本来の明るさを取り戻し、仕事の成績も次第に上がっていきます。そんなある日、青山がヤマモトについて調べると、なんと3年前に自殺していたことがわかりました。ではヤマモトと名乗る、あの男は一体何者なのか?

 

映画の中で、青山は「人は何のために働くのだろう。もし、生きるために働くのだったら、俺は生きているといえるのだろうか。」など・・・様々なことを考えます。それに対してヤマモトは、「人生は、お前とお前を大切に思っている人(家族)のためにある。」と答えます。また、青山の父は「人生なんて生きてさえいれば何とでもなる。」と答えます。そして、青山は意を決して会社を辞めることを上司に伝えます。そこでは、「僕の人生は、僕と僕を見守ってくれる人のためにある。」「僕は、自分が何をやりたいのかわからないまま会社に入ってしまった。でも、明日からの人生を変えることができるかもしれない大切な人に出会った。」と力強く話す青山の姿がありました。

 

生徒の感想(一部)を紹介します。

◎「生きるために仕事をする」のではなく、「生きている意味や自分の存在意義を見つけるために仕事をする」のだと思った。何よりも大切なのは、自分と周りの人の命を大切にすることだと思う。

 

◎仕事をすることがどれだけ大変かということが良く分かった。しかし、だれでもやり直すことができる、一番大切なことが何か少しわかった気がした。人は生きている限り何度だってやり直せるのだと分かった。人生というのは学びの連続だと思う。投げ出したくなったり、嫌なこともあるかもしれないが、すべて乗り越えていきたいと自分自身も感じた。

 

◎自分に嘘をつかないことが大切だと思った。周りの人を大切にして自分の進むべき道を進むのが大事だと思った。周りの人のためにも自分を大切にしなくてはいけないと思った。

 

◎「生きていれば何とでもなる」という言葉が印象的。ヤマモトが辛い過去があったにもかかわらず、隆を立ち直らせることや素敵なことをたくさん言っていてすごいなぁと思った。私も彼のように「常に前を向いていたいな」と思う。

 

◎隆が仕事に悩んで、どん底に落ちていくのが辛かった。自分の人生は自分のものだけではなくて、自分を思ってくれている家族や大切な人のためにもあるから、簡単に死を選択してはいけないと思った。小さな世間の中で狭い視野で見るのではなく、もっと大きな視野で見れば、悩みなんてちっぽけだと思った。

 

◎友達は大切だと思った。ヤマモトは双子の純のことを見てきたから隆のことを気にかけていたんだと思って感動した。人は互いに支えあっていることを強く感じた。最後の「ちょっと今から仕事始めようや」という言葉に感動した。これから辛いことがあったらこの映画を思い出したい。

 

◎物語の最初は、みんなの前で謝ったり、暴力を振られたりしているのに、どうしてそこまでして仕事をしているのかがわからなかった。でも、お父さんの「生きてさえいれば・・・」という言葉が凄く心に残った。辛いことがあっても希望をもって生き続ければ必ずいいことがあると思えた。会社を辞めることはとても大きな決断だと思うけれど、その決断が自分の幸せに繋がるときもあるから、たくさん考えて自分が幸せになれる道を進むべきだと思う。

 

◎会社を辞める時のシーンが、それまでと違い印象的だった。「人生は自分と自分を見守ってくれている人のためにある」という言葉が印象に残った。ヤマモトに出会う前は「仕事は辛くても生きるためにやらなければ・・・」という人生だったけど、ヤマモトに出会ってからは「仕事も辞めて人生を楽しく生きていこう」という気持ちになり、とてもよかったと思った。

 

◎親の愛を知り、生きる意味を見つけられてよかった。隆がヤマモトに救われてよかった。人生は楽しいことばかりではないが、ヤマモトのように人を救える人になりたい。

 

◎仕事をしていくことは大変なことなんだと感じた。でも自分の人生は自分と自分にかかわる人のためにあることを知った。人生はもう一度やり直すことができると思ったし、主人公が最初と最後で様子や心情が変わったことが分かった。

 

◎辛かった仕事を辞め、また新しい希望に向かってよかったと思った。言葉の一つ一つが心に響いた。人と人との助け合いは本当に素敵なものだと思った。

 

◎最初は、今の社会において起きていそうな会社で見ているのも辛かったが、会社を辞めると決断した隆を見るヤマモトに感動した。優と純の双子愛がとても伝わってきたし、それと同時に、隆と優との友情も感じられて本当に良かった。ブラック企業の現実がある今、将来の自分にもあり得ることだと思いながら観ていた。

 

◎青山は何のために働いているのかわからなくなっていて心身ともに辛そうだった。ヤマモトの言葉で青山が救われていくのが分かった。ヤマモトは純を亡くしていたからこそ、その恐怖をもう二度と味わいたくないと思っていたのだろう。隆はヤマモトに救われていたけど、ヤマモトは逆に隆に救われていたんだと思った。

 

生徒たちとは、昨年視聴した映像「ルビコンの決断 あなたはなぜ働くのですか?日本一優しい会社が問い続けた50年」で気づかせられたことを思い出しました。「究極の幸せとは、愛されること、褒められること、人に必要とされること、人の役に立つこと」そして「真の幸せは働くことによって得られる」「人を雇うということは人を活かすこと」ということでした。そして、その後には、以前にこのページでも紹介させていただいた「球団マスコット:ネッピーとなった島野修さんの生き方」について考えました。

 

私自身は「働く意味」について考えるとき、「生きている証なのかなぁ」と思う今日この頃です。東京成徳に勤務してこれまでにたくさんの生徒、保護者、教職員の皆さんと出会い、多くのことを学ばせていただき、私自身も成長することができています。それは私にとって「今を生きている」その証であり財産でもあるように思います。こうして楽しく仕事ができていることが当たり前ではないこと、このような幸せな毎日に感謝するとともに、微力ではありますが、これからも皆さんのお役に立てるよう頑張っていきたいと思います。

自分を深める学習 2年F・G組担当:水村一恵