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2018年12月 1年生 導かれたところで精一杯 (12/15)

投稿日2018/12/15

1年生2学期の「自分深める学習」の授業では、7月に行った「戸隠校外学習」の振り返りから始まり、「自分にとって本当に大切なもの」、「なくてはならないもの」を考えていきました。

そして、その大切なものを守り、幸せになるために、「人生の意味」や「人はなぜ働くのか」について考えていきました。

 

生徒たちは、

①倉本聰さんの富良野塾生が生活必需品に挙げた「人」について

②知的障がい者を雇用しているチョーク工場の教材から、「究極の幸せ」は「愛されること・褒められること・人に必要とされること、人の役に立つこと」、「真の幸せは働くことによって得られること」

などさまざまな角度から学んでいきました。

 

すると、今まで「大切なもの」や「働く意味」の上位にあった「お金のため」というものに疑問がわいてきます。

そんなときに、A組、B組では「島野修さんの人生」を紹介しました。

 

島野修さんは、プロ野球選手(投手)から、球団マスコットのスーツアクターに転身、1981年から1998年の17年間に渡り、裏方としてプロ野球を盛り上げ、活躍した人です。

 

島野さんは、昭和44年、ドラフト1位で読売ジャイアンツに投手として入団しました。この年のドラフトには、星野仙一(中日)さん、山本浩司(広島)さん、田淵幸一(阪神)さん、山田久志(阪急)さん、東尾修(西鉄)さんなど、数々の記録を持ち名球会入り、引退後は監督としても大活躍した人たちが並んでいました。 その中で、島野さんは、読売ジャイアンツに1位指名された人なのです。

 

しかし、島野さんはプロ野球選手では活躍することができず、引退。阪急でバッティングピッチャー等を務めた後、当時は珍しかった球団マスコット「ブレービー」や「ネッピー」として10キロ以上もあるぬいぐるみを着てパフォーマンスをすることとなります。それは、お客さんに楽しんでもらうため、球場にきた子どもたちを笑顔にするために・・・、球団マスコットとして、1000試合以上も休まず連続出場を果たします。

 

生徒たちは、「島野さんがなぜブレービーやネッピーとなったのか、何のために働いていたのか」を考えました。

そして、あらためて「働く」ことの意味を考えました。

 

生徒たちのレポート(一部)を紹介します。

 

◎島野さんは選手としては活躍できなかったけど、野球が好きで野球を愛していたからだと思う。野球場に来てくれた人に楽しんでほしくて1000試合連続出場し続けたのだと思う。「働く」とは自分や家族が幸せに生活するためでもあり、誰かを助けたり、喜ばせたり、人の役に立つためでもあると思った。

 

◎自分と相手が笑顔になれるような仕事で働くことに意味があり、お金のために働くわけではないように思えてきた。

 

◎「働く」という漢字を分解すると、「人」と「動」がでてくる。私は「人が動く」、「人のために動く」から「働」と書くんだろうと思う。だから、「生活のため」でもあるけれど、人に感謝されたりするのも嬉しい。島野さんの「ネッピー」の動画を見て、とても感動した。私も島野さんのような人になりたい。

 

◎ 単にお金をもらう、生活を維持するということだけでなく、他人や誰かを思って働くことも実は生きていく上で大切なんだなと感じることができた。

 

◎「働く」とは「自分のやりたいことや好きなことをするだけではなく、周りにその楽しさを伝えることだ」と思う。自分のことだけでなく、周りの人にための役に立つことをしていきたい。島野さんの生き方を知って、働くことについての考え方が変わった。

 

◎「働く」とは他の人に喜んでもらうため。笑顔を見るため。自分の生きがいのため。広い視野でいろいろなことを見ていきたい。最初の授業の時と比べると、「働く」ということの価値観が変わってきた。

 

◎子どもたちの夢の道しるべになるというのも、働くことの重要な役目だと感じた。

 

◎「働く」とは、自分はもちろんだけど、他の人たちも幸せにできるような仕事ができたら嬉しい。

 

◎自分がしたいことをだだするだけではなく、誰かのために何かをしたい。 たくさんの人に自分が生きていたということを知ってほしい。

 

◎人が喜ぶ顔を見たい。人のためにやることがやりがいや達成感を得られると思う。人の役に立つために働きたい。

 

◎「働く」とは、自分が生きていくためでもあるけれど、他の人の笑顔や子供たちの夢を広げるためでもあるように思う。

 

◎授業で「働く」ということを何度も考えて、自分の生活のことも大切だけれども、人の役に立つということがより大切だと思った。

 

◎「働く」とは、生活のためではなく、自分の人生をよくするためだと思う。

 

担当者である私自身も、島野さんの映像を見るたびに励まされます。人生は思い描いたとおりにいかないことがたくさんあります。しかし、想定外のことが起こっても、導かれたところで精一杯頑張ってみると、新しい発見があったり、素敵な出会いがあるように思います。自分を深める学習では、生徒たちと一緒にさまざまな角度から「人生の意味」について考えています。その後の授業では、「モリ―先生との火曜日」を視聴、「愛、結婚、家族、生と死」について考えました。私自身が、生徒の皆さんと一緒に考え、学び合える人生に感謝している今日この頃です。

 

自分を深める学習 1年A、B組担当:水村一恵