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2019年2月 自分深めマインド (2/28)

投稿日2019/02/28

自分を深める学習は「つながり・関係性」というテーマを、「自分とは何か?」を自らに問う中で、生徒が「実感・感動」の中で気づくことが出来るようになること!を理想としている。そのためには、生徒が授業中のみならず、家族や友人との間で、授業テーマを話題にし、共に考えることができるようになることが必要であり、また、授業のみでなく、学校全体の取り組みの中で、行事等と「自分を深める学習」のテーマである「つながり」を結び付けてゆきたい。

 

私は、自分を深める学習を担当し4年目になる。10年以上に渡って自分を深める学習を指導されている先生とは比べ物にならないくらい、まだまだ未熟者だと感じている。冒頭の文章は自分を深める学習の目標である。私自身がどれだけ「自分深めマインド」を持って生徒と接していたか、また「自分とは何か」を改めて考えてみたいと思う。

 

そもそもなぜ私が東京成徳に来たのかを振り返ってみたい。私は幼少期から野球と共に人生を歩んできた。高校時代に将来は野球部の監督になりたいと思った。それは、私の恩師との出会いがあったからである。現役では大学受験に失敗し、1年間浪人した。しかし、この一年間は自分の人生にとって大きかった。翌年、大学に合格。実は第一志望ではなかった。ここでも自分は失敗している。入学後、将来のためと思い硬式野球部にも入部した。野球部はプロ予備軍と言っていいほどレベルが高く、自分の役割が見出せなかった。120人いる部員の中で自分のポジションやチームにとって必要な人間になるためにはどうしたら良いか毎日考えた。学生コーチというポジションを得てから初めて野球というものを本気になって勉強した。大学を卒業し、母校で非常勤講師として3年間勤めたが、野球部は強化しないと言われ事実上のクビを経験した。多くの採用試験を経て、東京成徳か他校か悩み、東京成徳にお世話になることを決断した。決して採用や将来が約束されていたわけではなかったので本当に決断するのに苦慮した。正直、東京成徳なんて学校を聞いたこともなかったが、多くの挫折を経験してきた自分だからこの学校を選んだのかもしれないと今では思う。

 

東京成徳を甲子園に連れて行くことが私の夢であり目標である。限られた環境で、文武両道を実践し、普通の高校生が甲子園に出場できることを証明したい。お金や時間をかければ当たり前だが強くなる。でも、それでは人間としての深みはない。この困難な状況で甲子園に行くからこそ価値があると私は信じている。私の人生設計のなかでやはり、野球は切っても切り離せないものであるということがわかる。

 

東京成徳へ来て、自分を深める学習と出会った。非常に興味深くおもしろい授業だと感じたが、いざ担当教科となると難しく、頭を悩ませることばかりである。どちらかというと私は「自分深めマインド」を行事や学校生活に中に落とし込んで考えたり、気づかせたりすることのほうが好きなのかもしれないと、最近思うようになってきた。

 

体育祭では、体育科の教員として生徒と関わり支える立場である。企画、準備から運営まで生徒が主体となって行う。真剣勝負の競技を終えた後の閉会式では全校生徒が肩を組んで校歌を歌う姿は東京成徳ならではの「つながり」を体感することができる。

 

 

 

文化祭では1、2年生は展示を行う。今年度、私は2年生の担任であり、モザイクアートを制作した。スポーツの世界で生活してきた私にとって文化祭は若干苦手なイベントではあるが、その分生徒の中に入って一緒になって取り組むことを続けている。生徒と共に作品を作り上げる中で、一人では完成できないことも、仲間との協力があればできることを実感できた。これも「つながり」である。

 

 

 

 

「誰かを応援することは自分を応援することと同じである。」夏の全国高等学校野球選手権大会東東京大会では毎年全校応援を実施している。野球部の顧問(監督)をしている私にとっては応援して頂いている立場であり、応援してくれている生徒を勇気づけられる試合をしたいと常々思っている。1000人を越える大応援団はチームにとって大きな力となる。この大応援団を甲子園の地に導くことは私の使命であると考えている。

 

 

 

 

東京成徳リーダーズキャンプは各部活動の部長やキャプテンを集め、数か月に渡って毎週ミーティング実施し、企業インターンシップ、そして奄美大島での2泊3日のキャンプを通してリーダーとは何かについて考え、学校を引っ張っていく存在に成長することを目的としている。キャンプの内容は、鹿児島県立大島高等学校での部活動参加、100kmサイクリング、海岸の清掃活動などである。(リーダーズキャンプのページ詳細あり

リーダーというと、強力な統率力や牽引力をイメージするが、私たちの理想のリーダー像は、仲間との時間、思いをいかに共有し、大切にしていくかを考え、協働していくことができる人間。支え励まし、同じ方向に仲間とともに歩んでいこうとする人間なのではないかと考えている。一言で言うと「つながり」を持って仲間を「巻き込んでいく」ことである。リーダーズキャンプのメンバーが発端となり、学校行事や学校生活を多くの生徒や教員を巻き込み、連帯感を持ち、共に歩んでいきたい。

 

 

 

 

 

前述の通り、私は2年生の担任なので、先日修学旅行の引率で沖縄に行ってきた沖縄修学旅行についても触れたい。まず、沖縄修学旅行の事前学習として、『さとうきび畑の唄』を3時間かけて鑑賞する。太平洋戦争末期の1945年(昭和20年)、日本で唯一地上戦が行われた沖縄の歴史を学び、またそこで生活していた方々の思い、命の尊さなどを考えた。実際に沖縄修学旅行では、自分を深める学習の観点をふまえて平和学習を実施してきた。平和学習は『糸数アブチラガマ』『ひめゆり平和祈念資料館』『平和の礎』『県立平和祈念資料館』を丸一日かけて周り、戦争について肌で感じ、命の尊さを改めて考える1日となった。実際に沖縄で何が起こっていたのかを目の当たりにし、涙を流す生徒がいたりと生徒にとっては大きな経験をする一日となった。現在の日本は「生きたくても生きられない」という時代ではない。私たちは、この時代の日本に生まれたことに感謝し、今ある『命』をどう生きていくかといことを考えていきたい。

 

 

 

 

 

一年間を振り返ってみると、様々な場面で「自分深めマインド」を垣間見ることができる。人は決して一人では生きてはいけず、誰かとの「つながり」の中で生きているのだと実感することが出来る。私は自分深め科を担当するようになって、私生活の中でも家族が増え、友人が増え、同じ思いで仕事をする仲間が増えているように感じる。これは、東京成徳に勤めていなければ感じることのできない感覚だったかもしれない。

 

3月には高校三年生が卒業し、新たなステージへと巣立っていく。東京成徳の卒業生として「つながり」を持った人生を送って欲しいと願っている。私自身も、東京成徳との「つながり」を大切にし、人生を歩んでいきたい。

 

2年C、E組担当:森田正裕