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自分を深める学習 授業報告 1年生(6/22)
1年生の自分を深める学習では、1学期には「手紙」という題材を扱います。シンガーソングライターのアンジェラ・アキさんの楽曲「手紙 ~拝啓十五の君へ~」を題材にして授業を展開するのです。
アンジェラ・アキさんが15歳の時に書いた30歳の自分あての手紙を、30歳の誕生日にお母さんから送られたことがこの曲を書くきっかけになったとのことです。歌詞は15歳の「僕」が30歳の自分に向けて悩みを打ち明け、30歳の「大人の僕」が15歳の自分へ応えるという構成になっています。
♪拝啓 ありがとう 十五のあなたに伝えたい事があるのです
自分とは何でどこへ向かうべきか 問い続ければ見えてくる♪
という歌詞には、自分の存在する意味は何なのかということを、問い続けることが必要だと、つまり、「自分は何なんだろう」、「ここにいていいんだろうか」、「ここにいて何かの意味があるんだろうか」、「意味がある存在になるにはどうすればいいんだろうか」といったことがらを、数回頭に浮かべたことがある、ではなく、ずーっと頭の隅にあって、何かの拍子に気づくとそのことが頭の中を駆け巡っている、とでもいうのでしょうか。歌詞の中のことで言えば15年間考え続けている、ということを言っています。そして、15年考えたから答えが出たとは言っておらず、恐らくこれからも考え続けていくことを連想させる作りになっています。
これはまさに自分を深める学習そのもので、そこにこの曲を授業で題材として扱う意味があると思っています。
若い頃は誰でも悩み多き時期です。中には誰にも言えないようなこともあるでしょう。それは悩みが大きくて言えないだけではなく、小さいこと過ぎて他人には言えないということもあるかもしれません。しかし、自分宛てになら何も隠す必要はなく何でも話せるでしょう。それも30歳という立派な大人になった自分です。授業では、まず曲を聴き、「自分とは何でどこへ向かうべきか 問い続ければ見えてくる」という歌詞について話をし、30歳の自分に宛てて現在の自分の悩みや心配事、それほど大きなものではなくても気になること、あるいは現在の状況などを手紙に書いてみよう、と展開します。
便箋を配って書いたものを封筒に入れて封をしてあります。願わくば、生徒諸君には家庭で授業の話をして、書いた手紙を渡してもらいたいと伝えて授業を終えました。たとえば、親にとってはわが子が小学生の頃に授業で描いた絵が有名画家の作品よりも大事だったりするものです。このような手紙であれば、アンジェラ・アキさんのお母さんと同じように、大切に保管しておいて、30歳の誕生日に渡してくれる家庭も沢山あるだろうと思うからです。
保護者の皆様、是非お子様に授業について聞いてみてください。親子の間で自分を深める学習について話をするという風になれば、授業担当者としてはこれほどうれしいことはありません。そして、是非お子様の書いた手紙を預かっていただき、15年間大切に保管してください。お子様が、自分が相手だから書いたものですから、もちろん開封は厳禁です。開封せずに15年間保管するってなかなか大変なことです。それでも、我が子の未来にまたひとつ楽しみが増えると思って、是非お願いしたいと思います。
自分を深める学習 1年G組担当:神田上巳