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2019年11月 2年生 『さとうきび畑の唄』を視聴して (11/29)

投稿日2019/11/29

高校2年生ではこの時期、テレビドラマ『さとうきび畑の唄』の視聴を複数回に分けて行います。3学期に実施される修学旅行の事前学習という意味合いももちろんありますが、このドラマを通じて様々なことを感じてもらいたいという想いがあります。

 

当たり前のことではありますが、私も含め、生徒たちは戦争を体験したことはありません。このような世代にとって戦争とは、どこか現実味がなくまたあまり深くは考えたくない話題のような気がします。

 

ではなぜこのようなドラマを、しかも自分を深める学習という授業の中で扱うのか。自分を深める学習の1つの大きな柱として「つながり」というものがあります。その意味で言えば、ドラマを通し、家族とのつながり、友人とのつながり、命のつながり、などといったことを考えることが一つの目的なのかもしれません。

 

しかし、私がこのドラマを通じて生徒たちに感じてもらいたいこと、それは「気づく」ことの大切さです。そして「自分事として考える(想像する)」ことの大切さです。ある意味で「つながり」という言葉を別の表現で伝えていることになるのかもしれませんが、戦争という悲惨な出来事を「他人事」にしない、そのことこそが、戦争というテーマを扱う大きな目的のような気がしています。

 

ドラマはフィクションですが、沖縄戦は実際に行われました。フィクションをフィクションとして見るのではなく、ひょっとしたらこのような事が実際に自分にも起きていたのかもしれない、あるいは自分だったらどう感じ、どんな行動をしていただろうか。体験できないからこそ想像する、疑問を持つ、つまり「気づく」ことが今を生きる我々が唯一できることなのではないでしょうか。

 

生徒が一人一人がこれから赴く沖縄の地で起こった出来事を少しでも自分事として考え、多くのことを感じてきてくれることを願います。

 

 

以下、生徒の感想の一部を抜粋して載せておきます。御覧ください。

 

〇たくさんの人が犠牲になったということを、戦争を知らない私たちがしっかりと知っていかなければならない。昔があって今があるということを忘れないよう、沖縄に行ってもしっかり感じておきたいとと思った。こういう機会がないと戦争について考えないのは、よくないと思った。

 

〇国のために死ぬことが立派なことだと思っていた日本人が、どうやってその思考になってしまったのかも知りたいと思った。戦争をしなければいけなかった時代だったとはいえ、なぜ戦争という手段を使ってしまったのか、不思議に思った。

 

〇「お国のために」という言葉がとても印象に残った。自分が生き残ることよりも自決してでも捕虜にならないようにする、私にはまったく考えられないことだと思った。

 

〇自分が一番印象に残ったのは、「Do you kill me?」と聞いて「大丈夫心配しないで」とアメリカ兵が言った場面。あそこで感じたのは、国が違っても人は人、同じ感情を持っている。だからこそこういった争いはなくしていかなければいけない。今平和でいられるのも奇跡であって、決して当たり前ではない。過去にこのような戦争でたくさんの人々が亡くなったことを忘れてはいけない。自分たちはこの出来事をまた次の代に伝えなければならない。

 

〇戦争はみんなを不幸にするし、悲惨なことだとわかっていたけれど、このドラマを見て改めてわかった。人の死がどれだけ悲しくてつらいことなのかよくわかった。だから簡単に「死ぬ」なんて言葉は言ってはいけないと思った。あの当時生きたくても生きられなかった人がたくさんいる。でも、今自分たちは何不自由なく暮らしている。だから今自分たちが生きていることに感謝するべきだなと思った。

 

〇心がいたい。仲間を殺すのだけは絶対に違う。理解できないことがたくさんあった。今ではありえないこともたくさん。でもそれが戦争かって思った。

 

自分を深める学習 2年B組担当:宮崎亘